ソイラテとは——作り方と、コーヒーに合う植物性ミルクの選び方

ソイラテとは——作り方と、コーヒーに合う植物性ミルクの選び方

ソイラテとは、エスプレッソを豆乳で割ったラテのことです(豆乳ラテも同じ意味)。牛乳の代わりに植物性ミルクで作るラテは、豆乳でもオーツミルクでも、ミルクの選び方で味が大きく変わります。

先に、正直に言います。なんだかんだで一番美味しいのは、牛乳だと思っています。

それでも私は、毎日のラテを植物性ミルクで飲んでいます。豆乳の日もあれば、オーツミルクの日もあります。乳糖不耐性という体の事情がひとつ。そしてもうひとつは、選び方さえ分かれば、植物性ミルクのラテは十分に美味しいからです。この記事では、コーヒーと植物性ミルクの相性を、実際に何本も飲み比べてきた立場からご案内します。

ソイラテとは何か——豆乳ラテと違うのか

ことばの整理から始めます。ソイ(soy)は英語で大豆のこと。ソイラテは、エスプレッソを豆乳で割った飲み物です。カフェのメニューとして広まった呼び名で、日本語の「豆乳ラテ」と指しているものは同じです。

「カフェオレとどう違うのか」も、ここで一度だけ。ラテはエスプレッソがベース、カフェオレはドリップコーヒーがベースです。だからソイラテの本来の形は、エスプレッソに豆乳。ただ、家で楽しむぶんには堅苦しく考える必要はありません。濃いめに淹れたドリップコーヒーを豆乳で割った一杯——いわゆる豆乳コーヒー——も、この記事では同じ仲間として扱います。

ことばの整理は、ここまでです。ここからは、相性の話をします。

ソイラテの作り方——割合と順序

基本はシンプルです。エスプレッソ1に対して、豆乳5〜6。エスプレッソの濃さを信じて、ミルクをたっぷり——この比率が、私の目安です。

ホットで作るなら、豆乳を先に温めます。目安は60〜65度くらい、沸騰はさせません(豆乳は熱すぎると固まりやすいためです)。温めた豆乳をカップに注ぎ、エスプレッソを上から加える。白い液面にエスプレッソが沈んで、境目がゆっくりと混ざっていきます。

アイスなら、グラスに氷と豆乳を入れて、エスプレッソを上から注ぐだけ。豆乳とエスプレッソは比重が違うので、きれいな二層になります。ひと口目は混ぜずに、層のまま飲んでみてください。豆乳の甘さのあとから、コーヒーの苦味が追いかけてきます。

甘みは、まずは足さずに。豆乳そのものに、ほのかな甘さがあります。物足りなければガムシロップを。健康に気を使うなら、アガベシロップという手もあります。

残る問題は、エスプレッソをどう用意するかです。エスプレッソマシンのある家庭は、多くありません。濃いめのドリップで豆乳コーヒーにするのも立派な解です。もうひとつ、私たち Espresso Refill の生エスプレッソのように、抽出済みのエスプレッソを使う方法もあります。瓶から注ぐだけなので、マシンがなくてもソイラテになります。

作り方は、これだけです。難しいのはむしろ、このあとの二つ——分離と、ミルク選びです。

なぜ豆乳はコーヒーで分離するのか——防ぎ方

コーヒーに豆乳を注いだら、もろもろとした固まりが浮いた——初めて見ると驚く光景ですが、正体は単純です。大豆のたんぱく質は酸と熱に反応して固まる性質があり、コーヒーは弱い酸性の飲み物。熱々のコーヒーに豆乳を注ぐと、あの固まりができます。メーカーも公式に案内しているとおり、体に害のある変化ではありません。

気になるときの対処もシンプルです。熱々を避ける(60度台まで)、豆乳を先に入れてコーヒーを後から注ぐ、あるいはアイスで作る。どれか一つで、ほとんど収まります。

正直なところ、家で楽しむぶんには神経質になる話ではありません。固まっても混ぜて飲めますし、味が大きく損なわれるわけでもない。「固まることがある。害はない。防ぎたければ温度」——覚えておくのは、これだけで十分です。

オーツミルクラテは、なぜ選ばれているのか

ここ数年、カフェのメニューで存在感を増しているのがオーツミルクです。オーツ麦(えん麦)から作られる植物性ミルクで、麦の自然な甘みがあります。

面白いのは、同じオーツミルクでも作りがはっきり分かれることです。たとえばオーツサイドは麦をローストしてから作られていて、香ばしさが前に出ます。一方のマイナーフィギュアズはローストせず、麦の主張を抑えた作り。オーツミルクの個性そのものを楽しむのか、コーヒーを主役に立てるのか——この分かれ道は、次の章の飲み比べにそのままつながります。

フォームについては、正直に書きます。オーツミルクの泡はどの銘柄も潰れやすく、正直そこに大きな差はありません。きめ細かいラテアートが目的なら、牛乳を使うのがいちばんです。家のオーツミルクラテは泡に頼らず、温めて注ぐ、氷に注ぐ——それで十分に美味しくなります。

豆乳とオーツミルク、どちらがいいのか。これは優劣ではなく、入口の違いです。豆乳に馴染みがあるなら豆乳から、麦の風味が好きならオーツミルクから。飲み慣れた方から入るのが、いちばん失敗がありません。

どの植物性ミルクを選ぶか——4本の実飲比較

ここからが、この記事の核です。実際に飲み比べてきた4本を、順位ではなく「設計」で読み解きます。

先に、選び方の背骨をひとつ。植物性ミルクには、そのまま飲むために作られたものと、ラテのために作られたものがあります。そのまま飲む設計のミルクは、一本で味が完成しています。だからコーヒーは、その完成されたバランスに割り込む形になる。一方、ラテ用に開発されたミルクは、単体では物足りなく感じることさえあるのに、エスプレッソと合わさった瞬間に真価を発揮します。少し高価なのには、理由があるわけです。

もうひとつ、植物性ミルクに共通する大きな実利があります。未開封なら常温で保存できるものがほとんどで、買い置きが冷蔵庫を圧迫しません。「切らしたら困る一本」を気軽に常備できます(開封後は冷蔵で早めに)。

マルサン 調製豆乳——そのまま飲む設計の代表格

マルサン調製豆乳のパッケージイラスト

スーパーでいつでも手に入る、お馴染みの調製豆乳です。調製豆乳の中ではクセが少なく、あっさりとした味で、そのままゴクゴク飲める。ストレートで飲む豆乳としては、国内の主要な豆乳の中で個人的に最上位です。しかも手頃で、毎日続けられます。

つまりこれは「そのまま飲む設計」の完成形です。ラテにすると、完成した味にコーヒーが割り込むぶん、後味に豆乳の風味がはっきり残ります。それでも、「家の豆乳ラテはこれで十分」という日は、たくさんあるはずです。これはこれで、正解の一つです。

ボンソイ——ラテ設計の豆乳

ボンソイのパッケージイラスト(豆乳)

日本の豆乳メーカーとオーストラリアの食品企業が共同で作った豆乳で、オーストラリアのカフェ文化の中で定番になってきました。作っているのは日本、育てたのは海の向こうのカフェ、という面白い出自です。

飲むと、豆乳とは思えないクセのなさに驚きます。クリーミーで濃度感があり、飲み応えがある。そしてラテにしたとき、味覚バランスの良さは実飲した豆乳の中で際立ちます。後味の豆乳臭さがとても少なく、エスプレッソと合わさって初めて全体の絵が完成する——まさにラテ設計の一本です。

白状すると、私はこれを1ケース(6本)で定期購入しています。豆乳でラテを本気で楽しみたい方の、最初の一本にどうぞ。

オーツサイド バリスタブレンド——そのまま美味しいロースト系オーツ

オーツサイド バリスタブレンドのパッケージイラスト(オーツミルク)

2022年ごろから国内で正式販売が始まったオーツミルクのブランドです。まず言いたいのは、ラテにする前に、これ自体がめちゃくちゃ美味しい。麦をローストしてから作られていて、香ばしさとしっかりした麦の風味がある。そのまま飲んで楽しい一本です。

裏を返せば、これも「そのまま飲む設計」寄りです。ラテにすると麦の風味が前に出るので、コーヒーを主役にしたい日には少しにぎやか。オーツミルクの個性ごと楽しみたい日の一本として、価格と品質のバランスも良い入口です。

マイナーフィギュアズ バリスタオーツ——ラテ設計のオーツ

マイナーフィギュアズ バリスタオーツのパッケージイラスト(オーツミルク)

バリスタにはお馴染みの、イギリス生まれのプロ仕様オーツミルクです。サードウェーブ系のカフェや輸入食品店で見かけます。

こちらはオーツサイドと逆で、麦をローストしていません。そのまま飲むと薄く、水っぽい印象を受けるかもしれません。ところがエスプレッソを注ぐと、その理由に納得します。麦の匂いが控えめで、コーヒーの風味をまったく邪魔しない。良い意味で存在感が少ない、名脇役に徹するラテ設計です。コーヒーそのものを主役にした植物性ラテを飲みたいなら、ここに行き着きます。

——番外をひとつ。最近は日本発の「米麹ミルク」も見かけるようになりました。甘酒に近い、はっきりした甘さのミルクです。ラテで試したことがありますが、口当たりに少しざらつきが残りました。砂糖を使わずに甘いラテが飲みたい方なら、選択肢に入れてみても面白い一本です。

エスプレッソ側との相性——どのラベルと合わせるか

ミルク側だけでなく、エスプレッソ側から合わせる楽しみもあります。私たちの4つのラベルでいえば、オーツサイドのような香ばしいロースト系オーツには、Red や Yellow のような酸の明るいエスプレッソがよく合います。麦の香ばしさと果実の酸の対比が生きるからです。逆に、Green のような王道バランスのコーヒーは、そのまま飲む設計のミルクと合わせると互いのバランスがぶつかりがちで、ラテ設計のマイナーフィギュアズやボンソイと合わせるのが良い組み合わせです。

——まとめると、こうなります。毎日気軽に飲むならマルサン。豆乳でラテならボンソイ。オーツの個性ごと楽しむならオーツサイド、コーヒー主役ならマイナーフィギュアズ。どれが一番、ではなく、どの一杯に合わせるか。相性は設計と用途で決まります。

乳糖不耐症でも、ラテは楽しめるのか

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする——心当たりのある方は、少なくないと思います。乳糖を分解する酵素の働きは大人になると弱まる人が多く、日本人には比較的起こりやすいとされています。症状や体質が気になる場合は、医療機関に相談してください。この記事で扱えるのは、あくまで「それでもラテを楽しむ工夫」の話です。

私自身、乳糖不耐性です。だから普段のラテは植物性ミルク一択。幸い、豆乳もオーツミルクも植物由来なので、乳糖をそもそも含みません。オーツで選ぶならマイナーフィギュアズ、豆乳で選ぶならボンソイ——前の章の選び方が、そのまま使えます。

それでも、牛乳に近いラテが飲みたい日があります。そういう日の私の工夫が、牛乳と豆乳を自分で混ぜた「ハイブリッドミルク」です。狙いは純粋にひとつ——症状が出ない範囲で、牛乳に近いラテを飲むこと。牛乳を減らしたぶんを豆乳で補えば、乳糖の量を抑えながら、限りなく牛乳に近い一杯になります。割合は半々を起点に、体調と好みで調整します。ただし、乳糖にどこまで耐えられるかは個人差がとても大きいので、これはあくまで一人の実践例です。症状が強い方は無理をせず、ご自身の体質と相談しながら試してください。

コーヒーとの相性だけでなく、自分の体との相性も、調合できる。ミルク選びの自由は、そこまで含めての自由です。

ホットとアイス、植物性ミルクはどちらが合うのか

飲み比べを重ねて気づいたことがあります。植物性ミルクは、温めたほうが美味しい。温めると、豆乳の豆っぽさや麦の匂いがやわらいで、コーヒーとの一体感が増します。甘みも前に出る。アイスラテよりホットラテのほうが美味しかった、というのが正直な実感です。

アイスで楽しむなら、冷たいミルクに冷たいエスプレッソを注ぐだけ。氷の音ごと楽しむ夏の一杯で、これはこれで別の良さがあります。

アイスラテには、季節の話も含めてもう少し深い世界があるので、それはまた別の記事で書く予定です。

一番美味しい、の先へ

一番美味しいのは牛乳だと、この記事は最初に認めました。だからこそ思うのですが、植物性ミルクを「牛乳の代わり」として比べながら飲むのは、そもそも少しもったいない。豆乳には豆乳の、オーツにはオーツの設計と個性があって、牛乳とは別の飲み物です。代わりではなく、別の選択肢。

コーヒーとの相性、温度との相性、そして自分の体との相性。正解がひとつではないから、選ぶ楽しみがあります。今日のあなたの一杯には、どのミルクが合うでしょうか。買い置きの1本がいつもと違うだけで、家のコーヒーは少し新しくなります。

ソイラテについて、よくあるご質問

Q. ソイラテと豆乳ラテ、カフェオレの違いは何ですか?

ソイラテと豆乳ラテは同じもので、エスプレッソを豆乳で割った飲み物です。カフェオレはドリップコーヒーがベースという違いがありますが、家庭ではドリップコーヒー+豆乳(豆乳コーヒー)も同じ感覚で楽しめます。

Q. 植物性ミルクは体に悪いですか?

一概には言えません。銘柄によって原材料や添加物は大きく異なるので、気になる方は原材料表示を確認するのが確実です。豆乳・オーツミルクとも長く飲まれてきた食品で、体質に合う範囲で楽しむぶんに心配しすぎる必要はないと考えています。

Q. カロリーは牛乳と比べてどうですか?

銘柄と種類によって差があります。無調整豆乳は牛乳よりやや低めのことが多く、調製豆乳やオーツミルクは製品によって幅があります。正確には各商品の栄養成分表示をご確認ください。

Q. 泡立てなくても美味しく作れますか?

作れます。この記事の作り方はすべて、泡立て器もマシンのスチームも使いません。温めて注ぐ、氷に注ぐ——それだけで、家のソイラテ・オーツミルクラテは十分に美味しくなります。

マシンなしでソイラテを試せる生エスプレッソは、商品一覧からご覧いただけます。

参照元

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